外資系で働くということ

外資5社、日系2社で働いてきた私が、外資って実際どうなの?日系との違いは?といったことをメインに、時に関西人独特のユーモアを交えて綴ります。

1時間の面接では大して何も分からない(面接官の本音を聞いてみた)

最近、今まで勤めてきた会社の上司と会う機会があると、「面接する時、何を見てますか?採用する決め手は何ですか?」と聞くようにしている。彼ら彼女らは、採用側として何年、何十年も面接官を務めてきた人たちだ。

 

すると、「1時間の面接では正直大して何もわからない」と口をそろえて言う。それでも最後は何で決めるかというと、最終的には「インスピレーション」だったり、「自分と馬が合うかどうか」(要は一緒に仕事しやすそうか?)という意見が多い。何年も面接官を務めてきた人たちが「結局は直感だ」と、そういうのだ。それでも採用してみたら直感が外れていた、なんてこともある、と。


たしかに自分が採用する時も、何だかこの子は素直じゃなさそう、と思ったら採用しない。いちいち自分に歯向かってくる子よりは素直で一緒に仕事しやすそうな子がいい。

 

でも、いくら面接の想定問答集を用意していっても、決め手はインスピレーションなんだよな。一体どうやって対策するのやら、とも思ってしまう。インスピレーションと言っても、具体的に会話の中でどうやって判断してるのですか?と掘り下げて聞き、1つ例を挙げてもらった。例えば、こんな感じらしい。

 

面接官:当社でどんなことがやりたいですか?(※1)

応募者:XXXです。

面接官:それは何故?(※2)

応募者:●●●だからです。

面接官:なるほど。うちで必ずしもXXXがやれるとは限らないけど、やれなかった時はどうしますか?

応募者:△△△(※3)

 

※1. さて、ここで見ているのは本人が自らこういうことをやりたい、という意思があり、それがこの会社でこそ出来るということを理解していること。且つ、それを自分で意思表示できること。やりたいことの方向性がその会社で出来ることから外れているのは論外だが、何がやりたいかも分かってないような人では、「この人大丈夫?」と思われる。やりたいことなんて分からない?→でも表向きだけでもきちんと説明できるように準備してないといけない。

 

※2. 自分はこうしたい、と言う時に何故そう思うのかを論理的に説明できる人か?を見ている。説明の仕方が論理的でないと、「論理的には説明出来ないようでは入社しても厳しいな。それ以上に、感情論で来る人かもな、うーん」と思ってしまうようだ。

 

※3. 必ずしも希望が通るとは限らないのが会社組織。そんな中で、どうやって企業側のニーズと自分の希望とを寄せていけるか?柔軟性はあるか?を見ている。やりたいことを聞いておきながら意地悪だが、「やりたいXXという仕事ではできなくても、☆☆の仕事は今までの自分の経験が活かせるので、そちらの分野を掘り下げるなど、柔軟に対応可能です」、とか答えておけば良いのだろう。この回答に正解はないのだが、会社組織に属するということがどういうことか分かってないような人はご勘弁、と思うようだ。

 

こうやって文字に起こすと、単にインスピレーションだけじゃないじゃん?と思う。が、瞬時に「論理的じゃなさそう」「素直じゃなさそう」だから、何か自分と合わない気がするなーと判断しているわけだ。


この人とはウマが合わないな、と思われてしまってそれでお見送りなのは悲しいが、そんな会社入社したところで、きっとお互い不幸になってたはずだ。ありのままの自分(多少は盛ってもいいが)でいけば良くて、それでお互いウマが合うなと思った会社に入るのが自分も納得出来るのだと思う。

 

そして、採用する側だけでなく、採用される側もインスピレーションはとても重要で、自分の直感が何かここの会社は違うよ!と伝えてきたら、それは信じた方がいい。6回転職した私が言うのだから間違いない。はい、私は自分の直感に背いて、それで一度失敗しています。

f:id:brilliant_future:20190815154959p:plain